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[リンク記事]「いかにアメリカは帝国主義のために人道主義を操作しているか」
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いかにアメリカは帝国主義のために人道主義を操作しているか
How the US Manipulates Humanitarianism for Imperialism
Steven Chovanec 2016年10月6日

アメリカは、シリアにおける自らの代理兵と帝国主義的体制転覆プロジェクトを防衛するために、人道的不安を操作している。メディアと知識人階級は忠実にその路線をなぞり、「市民を守る」という覆いの下で軍事侵攻の言説を拡散しているのである。これと同じ「保護する責任」の議論がイラクやリビアへの侵略へとつながり、それらの国々で虐殺、混沌、暴力的過激主義を急激に増加させた。「保護する責任」の議論は、征服と支配を促進するための偽善的なものであり、シリアにおいてもより多くの死と破壊をもたらすものである。

アレッポにおけるロシアの攻勢をどれだけ非難しようとも、アメリカはシリア市民の幸福についてとやかく言うことはできない。アメリカは無差別攻撃、民間人への攻撃学校病院の破壊等についてロシアとシリアを批判しているが、アメリカが支援している人々こそ同じ犯罪をおこなっているという事実にそのことがはっきりと表れている。さらにアレッポにおける攻撃は、アメリカがマンビジでおこなったことと何の違いもない。アメリカはその町を ISIS から解放するために「焦土作戦」を導入したといわれており、それによって民間人は「まるでテロリストか ISIS 支援者のように」扱われたのである。しかも、おそらくアメリカの行為はさらにひどいもので、5年間のシリア紛争のなかで民間人に対する最もむごい空爆を行い、ISIS の兵士が見当たらない場所で73人もの人々を虐殺したのである。マンビジでの作戦は、メディアや評論家から何の道徳的非難も受けなかった。その犠牲者は“私たち”による犠牲者であり、“敵”による犠牲者ではない。よって「無価値な犠牲者」なのである。同じことがコバニとファルージャにも言える。そこでは町全体がまったくの瓦礫となったが、なんの騒動にもならなかったのである。

サウジアラビアもまたシリア市民について何も言うことはできない。サウジアラビアは2年もの間、アメリカの助けを借りて民間人の生命などおかまいなく無慈悲にイエメンを包囲し爆撃しているのである。その攻撃はイエメンの人道的状況をシリアよりさらにひどいものにしており、1900万もの人々が人道的支援を必要としている。シリアでそれは1800万人とされている。

クルド人に対する彼らの行為で証明されているように、トルコもまたそうである。しかしアレッポの運命に関するエルドアンの最近の沈黙は、彼とプーチンとの間である合意に達したことの徴候である。それはトルコがシリア北部に登場しクルド人の前進を食い止め、そのかわりアレッポの反乱兵への支援は制限するというものである。〔訳者注(2016/10/17) 上記の合意の存在を示す公的な証拠は現在のところない。この記事はそのような合意はそもそも存在しないだろうと論じている。〕

アメリカがロシアの軍事行動を非難している本当の理由は、アレッポにおける彼らの代理兵が近い将来敗北する可能性に仰天しているからである。それはこの戦争の決定的な転換点になるだけでなく、イドリブ以外での市街地で反乱兵が完全に制圧されるということである。一方でそれは中東全体へのアメリカ覇権の終焉となるという議論もある。言い換えれば、アメリカはアレッポで受け身の状態にある自らの代理反乱兵を防衛するために、グローバルな世論を反乱兵の前進を食い止めようと努力するロシアに対して投げつけようとしているのである。

それではこの反乱兵とは誰なのであろうか?

簡単にいうと、彼らはアメリカの支援を受け、アルカイダと連携しているか支配されている一群である。過去の休戦協定では、これら反乱兵はアルカイダと関係を断つことを拒否し、代わりに再度アルカイダへの忠誠を誓った。国連のシリア特使であるスタファン・デミストゥラは、東アレッポにいる兵士の半数以上がアルヌスラ(シリアのアルカイダ系組織)であり、またアメリカ国防省によれば「主にアレッポを支配しているのはヌスラである」。

専門家の意見は一致する。ワシントン近東政策研究所の Fabrice Balanche は、これらの反乱兵の連携がいかに「ヌスラ戦線が「穏健派」を含むより異なった反乱兵組織を支配している」ことを示しているかを詳述している。東アレッポにおけるアルカイダの影響力は2016年春以来増加したに過ぎないことを彼は説明する。

アルカイダとその系列であるこれらの兵士たちこそが、アメリカがロシアから守ろうとしているものであり、同様にアメリカの情報機関の工作員がおそらく帯同しているものである。ロシアが人道的災難を引き起こしているという言説は、この事実を隠蔽するためのものであり、アレッポの人々の被害に対するアメリカの責任をその肩からおろそうとするものである。しかし、その被害の主要な責任は反乱兵に対するアメリカの支援にあるのだ。

このことの証明として、東アレッポの人々は決して反乱兵を支持したこともなく歓迎したこともない。それでも反乱兵は「彼らに革命を持ち込み」、自らの意思に反する人々をやはり制圧した。その町へ実際に行った数少ない記者が、暴力的な反乱兵が弾圧の波でアレッポを蹂躙し、人々はシリア政府軍が彼らをその地域から追い出すことに希望の光を感じていることを伝えている。人々はこれを「悪の革命」と非難し、反乱兵の支配を「テロの禍い」だと考えている。もちろん、いまアレッポ市民の「守護者」であると主張しているアメリカにとって、このことは何の懸念も引き起こさなかった。

もともと住んでいた20万から60万の人々がアレッポを脱出し、政府が支配する西アレッポに移住した。残留する民間人は主には反乱兵の家族であり、残留し戦うことで支払われているのである。残留する民間人の数は公式のもので20万人であるが、実際の数はそれよりはるかに低く4万から5万であろう。

それでも、この戦闘地域に閉じ込められた民間人はそこから離れることを妨害されている。

最初の休戦で、人道的回廊が用意され、シリア軍は民間人にその地域を離れるよう促したが、反乱兵はそれを阻止した。報道によると、反乱兵は地域を離れようとした市民に銃撃さえしたのである。アメリカは、罪のない市民は「自宅に滞在することができなければならない」と主張し、市民を避難させる試みを非難した。急進派は自らを守るための人間の盾として市民を利用し、アメリカはそれを支援した。さらにこれを裏付けるのものとして、国連シリア特使のステファン・デミストゥラは「社会的インフラのすぐそばや、民間区域の近くや内部への意図的な狙撃位置の配置」を反乱兵が利用しているとの報告を引用している。だからこそシリア政府は市民を反乱兵から分離することを一貫して政策としてきたのである。単純に、民間人のなかに入り込んでいない敵と戦う方がはるかに軍事的効果は高い。同時に、アメリカと反乱兵はこの分離を阻止することを作戦としているのである。

シリア政府高官と接触を持つ事情通によれば、反乱兵から市民を分離しようというシリア政府の提案をアメリカとEUはつねに拒否してきた。アメリカとEUの説明によれば「そうすることは、シリアが勝つ助けとなる」。もし東アレッポからすべての民間人が避難すれば、シリア軍が残留する反乱兵を粉砕するのを止めるものは何もなくなり、シリア軍がそうすることに抗議する国際的な非難も起こらないのである。その事情通は説明する。「シリア戦争は都市型戦争である。反乱兵が目的を完遂するための唯一の方法は、民間人の居住地域を隠れ蓑や作戦の起点として利用することである。このことは完全に民間人抜きで戦いたいシリア軍と直接的な対照をなしている」。

ロシアとシリアの猛攻撃から東アレッポの民間人を守ると主張する者は、実際には戦場における勝利を確保する手段として民間人を利用しているのである。

このことがあって、シリア政府の戦略は、爆撃を散発的にすることで反乱兵が支配する地域の民間人に恐怖を与え逃避させるというものになっている。だから最近でもシリア軍は、民間人を避難させるために前進を停止したのである。反乱兵をより速く簡単に打ち負かすために、シリア軍は民間人をその場から移動させたかったのである。

もし東アレッポの民間人を本当に救出したいのならば、その地域から民間人を避難させ、反乱兵を支援する者はこれを認めなければならない。そしてそこからは、すべての側が自らが賛成した国連安保理決議を遵守するということが続くだろう。その安保理決議は、アルカイダへの資金、兵士、その他の支援の流入を禁止し、アルカイダと「その他のすべての同盟者」を禁止し、「シリアの広範囲において彼らが打ち立てた安全な居場所(safe haven)の撲滅」を要求している。そのなかではアレッポは最大規模のうちの一つなのである。

残念ながら、これらの義務に従っているのはシリアとロシアだけであり、アメリカとその同盟国はそれを故意に妨害している。メディアと知識人の意見は、ワシントンの政策決定者の利益を支持しないこれらの不都合な真実を覆い隠している。このようにして、メディアは国家権力に完全に従属し、リビアとイラクでの継続中の破局を導いたのとまったく同じやり方で、嘘と半面の真実しか含まない言葉に基づいて新たな侵略戦争への支持を大々的に宣伝しているのである。いまシリアがアレッポからアルカイダを追いだそうとしているのとまったく同じように、アメリカがマンビジから ISIS を追い出したときには、数百人の民間人を殺害したのにもかかわらず、それについての議論はほとんど起こらず、まして国際的な非難もなかったのである。

しかし現在、シリア人を爆撃し戦地に武器と戦士をあふれさせることによって「救出」しようという無数の呼びかけがあり、それはさらなる死と悲惨さをもたらす政策を要求するために皮肉にも「人道的」不安を利用するものである。反乱兵は、ジハード主義過激派に支配されており、彼らに対するさらなる支援は民族浄化、征服、反動的神学統治を強めるだけである。爆撃はイラクとリビアでそうであったように、シリアをさらなる混沌と死に陥らせるだけだ。

この戦争は国際的な代理戦争であり、罪のない人々への懸念とは関係のない利害に関わって、人道的不安が不誠実にも操作されている。さらなる戦争、帝国主義、よってさらなる死と破壊へとつながるこの偽りの人道主義にだまされてはならない。
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