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[リンク記事]ジェラルド・A・ペレイラ 「十字軍の連合がカダフィを追放しリビア革命を後退させるためにアルカイダと共闘」
category: - | author: conflictive.info
[リンク記事]

(参考)
・ジェラルド・A・ペレイラ 「リビアを正しく理解する――革命的汎アフリカ主義パースペクティブ」2011年3月2日
http://blog.conflictive.info/?eid=169476

・本文中の小見出しとして歌詞の一節(「神と人間に誓って、それはなんと素晴らしく喜ばしいことだろう」)が引用されているボブ・マーリーの“Africa Unite” 歌詞の対訳




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十字軍の連合がカダフィを追放しリビア革命を後退させるためにアルカイダと共闘 
ジェラルド・A・ペレイラ 2011年3月23日 

Coalition of Crusaders Join with al Qaeda to Oust Qaddafi and Roll Back Libyan Revolution
by Gerald A. Perreira
http://blackagendareport.com/content/coalition-crusaders-join-al-qaeda-oust-qaddafi-and-roll-back-libyan-revolution

アメリカ・イギリス・イタリア・ノルウェー・デンマーク・スペイン・カナダが参加する、カダフィが言うところの「十字軍連合」が、総力を挙げてリビアに対する軍事攻撃を開始した。リビアが根拠がなく違法であると非難する国連決議を口実に、その連合軍は湾岸戦争以来見られなかったような軍事力でリビア軍を攻撃しているのである。

「オデッセイの夜明け」作戦の本当の、そして違法な目標は「体制転覆」である。湾岸戦争のシナリオの悪夢的な再演であるその計画の内容は明らかである。リビアの防衛能力を無力化し、ベンガジの反乱諸勢力の反動的集合体を武装化して強化し、この寄せ集め集団がリビア革命を決定的に崩壊させることを期待しているのである。

帝国主義がカダフィを膝まづかせリビアを服従させようと試みるのは、これが初めてではない。1986年にアメリカは、リビアがベルリンのディスコを爆破したと偽って非難し、カダフィが住んでいたトリポリのバブ・エル・アジジア地区を爆破し彼を暗殺しようと試み、カダフィの娘と100人以上ものリビア人を殺害した。次にリビアは、リビア革命を経済的に無力化するために経済制裁を行う口実として、1988年のロッカビー爆破事件〔パンアメリカン航空103便爆破事件〕について偽りの非難を受けた。

リビアでイギリスとアルカイダが協力するのはこれが初めてではない

1996年、イギリスの諜報機関は、ムアンマル・カダフィを暗殺するために、莫大な金額を支払ってリビア国内のアルカイダ細胞の力を借りた。カダフィは、故郷であるシルトで群衆のなかを歩いているときに手榴弾を投げつけられたが、手榴弾に飛び掛かったボディーガードのおかげで助かった。MI5(英国保安局)の元職員である David Shayler は、彼が90年代中盤にリビア担当として働いていたとき、イギリス諜報機関の職員はリビア・イスラム戦闘集団(LIFG)と協力関係にあったことを明らかにした。LIFG は、オサマ・ビン・ラディンが信頼を寄せる幹部の一人とつながっていた。

世界で初めてオサマ・ビン・ラディンに逮捕状を発行したのは、ムアンマル・カダフィとリビア革命勢力である。かれらは何年にも渡って、このイスラムの倒錯者たちが引き起こす深刻な脅威について世界中に警告してきた。Shayler によれば、西側の諜報機関は、カダフィとリビア革命を打倒するためにリビア国内のアルカイダグループと協力関係にあったのでリビアの警告に耳を貸さなかったのである。

アナス・アリビはリビアのアルカイダ細胞のメンバーであった。彼はアフリカのアメリカ大使館爆破に関与したとして、25億ドルの懸賞金付きでアメリカの最重要指名手配リストに載り続けている。アリビは1996年にビン・ラディンがアフガニスタンに戻るまでスーダンで彼と行動をともにしていた。

驚くべきことに、あるいはそんなに驚くようなことではないかもしれないが、アリビはアルカイダで高い地位を持つ工作員であるにもかかわらず、イギリスに政治亡命を認められ、2000年5月までマンチェスターに住んでいたのである。

イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)

ベンガジの反乱兵は「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」によって触発されたもので、リビアだけではなく地域全体への脅威であるというカダフィとリビアの革命勢力による主張は、David Shayler が90年代中盤にそうであったと述べるように再び無視されることになった。なぜか? なぜならまたもや、とくにイギリスの諜報機関は、リビア全体で「髭の奴ら」と呼ばれ AQIM と緊密な関係を持っているベンガジの反乱兵とはっきりと共謀しているからである。

それについては圧倒的な証拠がある。Shayler が明らかにしたように、イギリスはアルカイダと連携するリビアの「リビア・イスラム戦闘集団(LIFG)」と長年に渡る関係を持っている。イギリスはまたワッハーブ派/サラフィー派というイスラム教の宗派と歴史的な関係を持っている。ワッハーブ派/サラフィー派は、現在ではムスリム同胞団や、AQIM を含むその支流集団が支持している宗派である。

戦いの長い歴史

1744年、ワッハーブ派の創始者ムハンマド・アブドゥル・ワッハーブと、冷酷な部族指導者でありその子孫は現在までサウジアラビアを支配しているムハンマド・ビン・サウドとの間で同盟が成立した。ワッハーブ派というこの反動的なイスラムの宗派は、植民地支配の道具としてのサウジアラビア王国の設立にとって完璧な神学的基礎となり、現在までサウジアラビアの国教となっている。1915年、イギリスは、植民地政策としてのサウジアラビア王国建国の一環として、残忍なサウド家と条約を結び、サウド家の土地を防衛し武器を供給した。同時にイギリスは、その帝国主義的野望を進展させるための完璧なイデオロギー装置として、ワッハーブ派の教義が広まるのを助けた。ある学者は、イギリスこそワッハーブ派をつくったのだと主張している。

次のように想像してみよ。いまイギリスは、ムハンマド・ビン・サウドの子孫たち(サウジの現体制)とワッハーブ派軍隊(現アルカイダ)に、十字軍の遠征に参加し、革命的イスラムの砦(現在のリビア)を粉砕するよう呼びかけているのだと。しかし、これには矛盾が現れてきている。なぜサウジアラビア政府が BBC に対して、「人々が自分たちの政府を選ぶというのは悪だ」と言えるのか、またムスリム世界における女性の権利に対する西側の抗議にもかかわらず、なぜ女性に選挙権がなく車の運転さえ許されていないサウジ体制が決して疑問に思われないのかを私たちは不思議に思わなければならない。かわりに、アメリカ、イギリス、フランスは、女性を解放し自国民に本当の民主主義をもたらすために闘ったリビアを破壊するために彼らの参加を呼びかけているのである。

早くも19世紀中盤から、ワッハーブ派原理主義は、反動的で封建的なサヌーシー教徒の人々によってベンガジに持ち込まれてきた。この宗派の影響は世代を超えて受け継がれ、ベンガジは、カダフィが理論化しリビア革命が実践した解放イスラムに反対する人々の中心地になってきたのである。

過去1世紀かそれ以上にわたって「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」と同じイデオロギーを支持してきたベンガジのムスリムたちは、AQIM がリビア国境に姿を現してきたここ数年間で活気を取り戻してきた。AQIM には北アフリカ地域全域にわたってマグレブ・ワッハーブ派イスラム首長国をつくるという公的な目標があり、その可能性を新たに追求している。この地域の歴史を理解することができれば、なぜ帝国主義はオサマ・ビン・ラディンやアイマン・ザワヒリの発見にそれほど努力をしてこなかったか、なぜそしてどんな風に、西側大国がこれら反動勢力やその教義を奨励してきたかが分かる。

「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」についてカダフィが現在言っていることを理解するためには、この争いの歴史と現在を理解する必要がある。つまり、2011年のこの地域においてアルカイダ関連グループがどのように活動しているかということである。カダフィが、人々を怖がらせる戦術として、どこかの洞窟に隠れているオサマ・ビン・ラディンの単純なイメージをベンガジの反乱に投げつけているという無知の人々を誤解させようとする試みがあるが、それはまったく真実ではない。

カダフィはワッハーブ派の反動的な目的をよく知っており、その地域におけるワッハーブ派の手口について十分すぎるほど理解している。アルカイダと連携しているということは、それぞれの細胞がアルカイダの中央司令部の命令に従っているということを意味するわけではない。むしろ、アルカイダはワッハーブ派・サラフィー派のイデオロギー運動として、世界中のサラフィー運動や細胞を活性化させているのである。サラフィーという言葉はワッハーブ主義の現代版を指し示している。もしカダフィの発言についてなにか疑いがあるのであれば、ワシントンのシンクタンクである外交問題評議会が AQIM の活動について述べているのを見てみよう。その公式サイトでは次のように述べられている。

「ここ数年、北アフリカにおけるテロ活動は、アルジェリアのローカルなイスラム主義グループからマグレブ全体をまたぐジハード組織へと変貌した「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」によって活発化してきた。以前は「布教と聖戦のためのサラフィー主義集団(GSPC)」と称していたそのスンニ派グループは、多くのテロ活動を実行し、西側の標的を攻撃する意図を公表し、イラクに聖戦主義者の集団を送り込んだ。専門家は、こういった活動は、よりグローバルで洗練された活動を行い多くの資金を得たいという指導部の野望が拡大していることを意味すると考えている。アルジェリアの軍事政権に対する国内限定の反乱勢力であると長い間考えられてきた AQIM は、アルカイダの地域的な支部活動であることを表明しており、1990年代の血塗られたアルジェリア内戦が終結して以来相対的に平和であったその地域の不安定材料となっている。ヨーロッパの政府当局者は AQIM の国際的な脅威を深刻に捉えており、ヨーロッパを拠点とする細胞の増加に懸念を抱いている。」

戦いは続く

ベンガジでいま起こっている争いは、リビアでは新しいものではない。長年リビアの革命勢力は、この封建的で反動的なイスラム宗派を抑制しようと奮闘してきた。

2011年2月24日、ベンガジ反乱が始まったまさに当初、AQIM はアルカイダと連携しているアルファジュルのウェブサイトに次のような声明を掲載した。「私たちはリビア革命の正当な要求に対して支持を表明する。私たちはリビアの人々とともにあり、あなたがたを見捨てはしない。私たちは、神の慈悲とともに、あなたたちを支援するためにすべてのことを行う。」

AQIM がこの声明を発表した数日後、アリビが再び登場した。David Shayler が、90年代にリビア国内で活動していたアルカイダの工作員だと明らかにしたアリビである。いまやアフガニスタンを拠点とするアルカイダの最高指揮者である彼は、彼の同国人にカダフィ体制を打倒し、イスラム支配を確立するよう呼びかけた。アリビ――この変名はアラビア語で「リビア人」を意味する――はアルカイダのメディア部門であるアルサハブが制作した映像で、「その独裁者(カダフィ)が安寧に死ぬことを許すことは、リビア人にとっての恥となる」と述べた。

マグレブにおけるアルカイダとドラッグ

リビアの革命勢力は、この地域にはドラッグ問題があり、多くの若者が悪影響を受けているという事実を指摘し続けてきた。またもや、この主張は西側メディアやアナリストによって一蹴された。かれらは実際に何が起こっているかまったく理解していないのである。

ごく最近である2010年11月、モロッコ警察は、1300ポンドものコカインをモロッコを通じて運び出そうとしている AQIM と関係を持つ34人を拘束した。

モロッコ内相の Taieb Cherquaoui は言った。「私たちは、麻薬の売人と AQIM 系テロリストとの間の明白な協力・共謀関係に対処している」。

彼は AQIM の麻薬組織のリーダーがマリで拘束されたと付け加えた。そしてその国際麻薬網は、モロッコの麻薬密売人が AQIM とラテンアメリカのカルテルとつながって形成されていると言った。

最近まで、モロッコ当局は、国内のアルカイダの活動を押さえ込んできた。しかし、発覚した麻薬活動は、その過激派組織がネットワークを拡大させていることを示しており、内相は「サハラ砂漠の南部の国々は、領土を守りアルカイダの拡張と闘うために、緊急に協力する必要がある」と表明した。

悲劇的なことに、「十字軍の連合」はカダフィの軍事施設を叩き潰すことを決意しており、リビアが AQIM の拡張からリビアの領土を守ることを阻止しているのである。

この勢力のさらなる展開として、ワッハーブ派の精神的指導者であるムスリム同胞団とそのエジプト人聖職者であるユースフ・アル=カラダーウィーが布告を出した。それは、敵に包囲されたムアンマル・カダフィを撃ち殺すことができる者は、カダフィをリビアから排除するためにそうすべきであると述べている。

カラダーウィーは新封建主義者で、女性の生殖器の切除を擁護し、イスラム教から離脱したものへの死刑の適用を呼びかけ、市民が属する階級によって法システムを分離すること提唱している。カダフィに反対している者が抱く信念とはそのようなものなのだ。

連合軍が軍事攻撃を開始する数時間前にバラク・フセイン・オバマと、それとは別にサルコジ、キャメロン、潘基文へ出された手紙で、カダフィはリビア東部の都市の不安定化は AQIM が扇動し援助しているものであると明確に指摘した。そしてカダフィは連合軍各国が直接リビアに来て現実を確かめるよう招待したのである。

もちろん、イラク戦争が大量破壊兵器に関する事実をはっきりさせるものではなかったのと同様に、今回のリビアに対する戦争は、リビアで実際に何が起こっているかについて真実を発見するためのものではないし、カダフィの主張を確認するためのものではない。私たちが歴史的および現在の事実を理解すれば、十字軍連合は自分たちが誰と戦っており誰を支援しているか十分に理解していることが分かる。だからこそ、彼らはあんなに急いで行動を起こしたのである――カダフィの主張の正しさを国際的な調査団が確認し、世界の人々の目に触れるのを防ぐために。

オバマへの手紙でカダフィは彼に尋ねた。もしアメリカがアルカイダに占領されたらどうするのか、教えてくれればそれに従うと。しかし無駄だった。カダフィは非人間的であると悪魔化されているので、儀礼的な応答さえ期待できないのである。アメリカのメディアによって中東のカストロと名づけられたカダフィは、どのような手段を持ってしても排除されるべき人物なのである。

なぜか?

ワッハーブ派や地域の新植民地主義政府とは対照的に、カダフィはアラブとアフリカ世界において一貫して西側の覇権に対抗してきた革命的指導者である。リビアの革命は過去30年間新植民地主義と帝国主義と闘う世界中の解放運動を支援してきた。

もちろんリビアの石油は紛争の要因のひとつである。たしかに米欧にとって石油資源のコントロールこそ最優先課題ではある。しかし帝国主義にとってより問題なのは、ひとつの政府、ひとつの軍隊、ひとつの通貨によるアフリカ合衆国というカダフィの呼びかけなのである。

驚くようなことではないが、西側諸国がカダフィとリビアに対して取っている行動は、同じ西側諸国がイエメン、バハレーン、そしてサウジアラビアといった同じ地域の他の国々に対してなんら行動を取っていないこととは対照的である。その国々では、抗議運動は街頭で狙撃されている。バハレーンで抗議運動は、侵略したサウジ陸軍に残酷な弾圧を受け、サウジ本国においては政府は自国民に対して「サウジ王家に指を上げるものはその指を切り落とす!」と言っているのである。

いわゆる「国際社会」は、長年のパートナーであるサウジアラビアの犯罪性については、ほとんど非難をすることはない。そしてそのことは、この最も非民主主義的な体制に対する支援なのである。現実には、十字軍連合は、その国々の行動を非難するどころか、大急ぎでそういったアラブ諸国をリビアに対する軍事作戦に参加させようとしている。それができれば、今回の軍事攻撃がアメリカとヨーロッパによる新たな侵略ではないと見せかけることができるというわけだ。

私たちは、バハレーンやサウジアラビアの人々が持つ希望について、かれらから心のこもった言葉を聞くことができるだろうか? アメリカやイギリスやフランスが、イエメンやバハレーンの蜂起が体制転覆を成功させるのを援助するために軍事攻撃を開始することがあるだろうか? 私はそうは思わない。

十字軍を認めるアラブ連盟

アラブ連盟は、イラクでの悪夢にもかかわらず、リビアに対する帝国主義的攻撃を是認した。イラクでは民間人の死者はいまや150万人にも達しようとしているのである。このような傲岸な帝国主義の代理人たちの連盟から支持を得られなかったということはカダフィにとって名誉である。最近の会合でカダフィは彼らに言った。今となっては予言的であるが、カダフィは、アラブ連盟はアメリカがイラクのアラブ・バース党体制を締め上げるのを傍観していたことを恥じるべきだと言ったのである。カダフィとサダム・フセインとの間には深刻な思想的政治的な相違があるにもかかわらず、リビアはイラクに対する外部からの敵対的な侵略に関しては原則的な立場を取ったのである。数日前、アラブ・バース社会主義党はリビア革命勢力に連帯する声明を発表した。

アラブ連盟は、それが持つパレスチナやイラクそのほか多くの問題に関するダブルスタンダードや偽善に対するカダフィの率直な批判に絶え間なく困惑させられてきた。彼らはカダフィの革命的イスラム主義に恐怖し、黒人のアフリカや、アフリカとアラブの統一を成し遂げようとするカダフィの試みを軽蔑してきたのである。

最近、人種間結婚を奨励した預言者ムハンマドの例に従ってカダフィがリビア人とアフリカ人との人種間結婚を奨励したとき、リビア人とアラブ人による黒人系アフリカ人に対する軽蔑が再浮上した。自分の娘が黒人系アフリカ人と結婚することを許す肌の色が明るいアラブ人はまったくいない。黒人系アフリカ人と結婚する肌の明るいリビア人はほとんどいない。かれらの黒人に対する軽蔑は根深いものである。

実際、サウジアラビアやレバノンそして湾岸諸国といったアラブ国家全域における家庭内のアフリカ人使用人に対する虐待に関する恐怖物語は、奴隷時代に黒人に対してなされていた処置を彷彿とさせるものである。だから、全アフリカの発展と統一というプロジェクトを北のアラブと対等な条件で結合させようという計画は、多くの肌の色の明るいアラブ人の心に届いていない。カダフィは例外であったのである。

『イスラムと第三の普遍理論――ムアンマル・カダフィの宗教思想』という本で、著名なムスリム学者である Mahmoud Ayoub は述べている。

「彼(カダフィ)は、黒人奴隷であるビラルが主人であるウマイヤと同等になった現代社会において、抑圧と不平等に対して断固として闘った預言者ムハンマドの例を引き継ごうとした。彼は、自らの任務とリビア革命の仕事を、預言者ムハンマドの動機と目的を現代ムスリム社会のために適用することだと考えているのである。カダフィの『緑の書』の基本的目的は、彼がコーランと預言者ムハンマドとそのコミュニティに見いだす正義と平等の理想を、現代的で一般的な用語で示すことである。」

では、リビアにおけるアフリカ人の隣人についてはどうだろうか?

「100万人行進」

すでにおよそ1万6000人のアフリカ人解放戦士(BBC、CNN やアルジャジーラが言うような傭兵ではない)が、リビア革命と同志カダフィのため命を賭けて戦うためにコンゴ、ギニア、ジンバブエ、シエラレオネ、リベリア、ニジェール、チャド、モーリタニア、南スーダン、ケニア、エチオピア、ブルキナファソからリビアに集結している。北部マリの当局者によれば、そのアフリカ人戦士のなかにはマリとニジェールの数百人のトゥアレグ人の若者がいる。「私たちはとても心配している」とマリのキダル州議会の議長である Assalat Ag Abdou Salam は言った。「こういった若者たちが大挙してリビアに向かっている。カダフィが勝とうと負けようと、それは地域に大きな影響を与えるもので私たちにとって大変危険なものである」。私たちは、かつて見なかったような汎アフリカ主義の連帯を現実に目撃しているのである。大陸の隅々からアフリカ人の戦士を引き付けるような精神的な権威と力を持つカダフィとリビア革命とは誰であり何なのであろうか。

あるトリポリの住人は次のように答えている。「私たちにとってカダフィとはチェ・ゲバラであり、リビア人と世界の多くの人々にとって彼は自由と民主主義の象徴である」。

その住人は、リビアとそこで現在行われている古くからの部族的、宗教的紛争を西側が理解していないと説明する。たとえカダフィがリビアを去ろうとも、武装ギャングや部族はこの世の終わりまで争い続けるであろう。そして、カダフィこそ過去40年間、こういった昔からある対立やそれにともなう後進性を克服しようと試みていたのであり、人民議会と人民委員会を通じて本当の民主主義を形成しようとしてきたのだと付け加える。

彼は、「西側はカダフィのことを知らないが、どのような人物であるか今にも知ることになるだろう」と言って締めくくった。

現在私たちがついに目撃している汎アフリカ主義は、帝国主義にとっては適度に無害で無能な象牙の塔の学術ブランドではない。それはボトムアップ型のグラスルーツ的汎アフリカ主義であり、大陸初の汎アフリカ主義軍隊をつくりだし、革命と彼らが愛し大きな借りがある指導者のために自らの生命を捧げているのである。

これらの戦士の多くや解放運動は、帝国主義が支援する自国の専制政府と闘っているときに、リビアから教育・軍事訓練・援助を受けた。そして現在は、彼らが苦難のときに支援を提供したカダフィとリビアを守ろうと決意しているのである。リビアに対する攻撃は、アフリカ大陸全体に深刻な影響をもたらすであろう。

アザニア汎アフリカ主義者会議(PAC、南アフリカ)は、カダフィに直接支持と連帯を表明するためにリビアに赴いた。発表した声明で「カダフィを支持する。彼は南アフリカのアパルトヘイト時代の PAC にとって決定的に重要な存在であった」と述べ、党の報道担当である Mzwanele Nyhontso は「私たちは長年カダフィおよびリビアと協力関係を持ってきた。私たちの幹部はリビアでカダフィによって訓練を受けた。どんなことがあろうとも友人は友人である」と言った。

カダフィは世界中の被抑圧民衆の友人である。どのような形であれ、過去30年カダフィとリビアから援助を受けなかった解放運動はほとんどない。彼は私たちの友人であり同志である。すべての人が誰が敵であるか見定めることができるよう期待しよう。

王様は裸だ――それがどうした?

もちろん、今回のような帝国主義による策略と聖戦は、何世紀にも渡って継続しているものである。最近では、ベトナムからイラクまで、うんざりするほどの嘘に基づいた似たようなシナリオが上演され続けるのを目撃してきた。それでは、今回は何が違うのだろうか。

もちろんそれは、帝国主義が嘘をついているということではない。かれらは依然として嘘の網の目を張り巡らせている。リビア革命とも密接な関係を持っていたアフリカ解放戦士のクワメ・ツレは、「帝国主義者はときどき嘘をつくのではない。いつも嘘をついているのだ」と警告している。

今回違う点は、ますます世界が混沌に陥いるなかで帝国主義者を取り巻く状況が変化してきており、そして彼らの世界への影響力が急速に減退しているということである。アラブ世界で起こっている反乱のなかで、多くの人々がアメリカとヨーロッパが考えていることに注意を払わなくなっているのは明らかである。だから帝国主義者は、政治的覇権を再び握り、地域における戦略的影響力の減退を押しとどめるための非常手段を取っているのである。

リビア外相であるムーサ・クーサが、リビア当局が休戦と国連決議を受け入れそれを積極的に活用すると決定したことを発表しているにもかかわらず、フランスとイギリスはリビア軍への軍事的攻撃に国際的支持を集めるために血眼になっていた。かれらが戦争を扇動するのはいつものことであるが、今回は文字通り殺気だっていた。

そのような血眼ぶりは、彼らの支配力が減退しているという背景によってのみ理解できる。経済の分野でさえ、中国、インド、ブラジルがアフリカと南アメリカの重要な貿易相手として浮上しているなかで、彼らの支配力は減少している。クワメ・エンクルマによれば、「新植民地主義は帝国主義の強さを示しているのではなく、その最後の醜い喘ぎなのである」。

2011年、帝国主義諸国は、世界を崩壊に導こうとしている。現在進行中の世界的な資本主義の危機の始まりのなかで、ブラジルの前大統領であるルーラ・ダ・シルヴァは経済サミットにおいて、「信用危機は、白人で青い目をしている人々に責任がある」と発言した。

資本主義の危機が深まり世界がますます混沌とするなかで、帝国主義国は、彼らがいつもそうしてきたように、世界で影響力を取り戻し出来事を操作しようとますますやっきになっている。彼らは世界の出来事をますます理解できなくなっている。それは出来事が発生するスピードだけでなく、その出来事の複雑性と発生しているパラダイムシフトのせいであるが、率直に言ってそのどちらとも西側の想像力を遥かに超えるものなのだ。

さらに、イラクとアフガニスタンの崩壊によって帝国主義は完全に信用を失っている。王様は裸であり、帝国の偽善が明白になっており、ほとんど物事に通じていない者でさえ、なにかが恐ろしいほど間違っていることに気づいているのである。

最後の醜い喘ぎ?

帝国主義は「最後の醜い喘ぎ」を経験している。世界の進歩派と革命運動にとって、この機会を捉え、全力をもって現在の攻撃に反対することは必須である。いまだ小事にとらわれて大局を見失っている人々は、継続する民衆の奴隷化を可能にしているのである。汎アフリカ主義者として、私たちはカダフィとアルファタ革命を守るためにかつてないほど団結する必要がある。

残念なことに、アフリカ連合は、新植民地主義に従うもうひとつの無気力な国際機関となってしまった。それは、不幸なことに、多くのメンバー国がいまだ帝国主義の推進者であるという事実のせいである。汎アフリカ主義の学者である Chinweizu は、これら帝国主義の推進者を「アフリカにいる指導者」と呼んでいる。彼が指摘するには、彼らは「アフリカの指導者」ではないのである。

このようなことがあるにもかかわらず、アフリカ連合は、進歩的なメンバーの手引きのもと、なんとかアフリカについて原則的な立場を取ろうとしている。アフリカ連合においてジンバブエが議長を務める平和安全理事会の声明は、全会一致で外国の軍事介入に反対し、北アフリカのリビア国家の領土の主権と保全を支持している。声明はさらに、「すべての敵対勢力の即座の休戦に向けたアフリカの緊急行動」を呼びかけている。

神と人間に誓って、それはなんと素晴らしく喜ばしいことだろう・・・

カダフィは、アフリカに関するひとつのビジョンを持っていた――ひとつの政府、ひとつの軍隊、ひとつの通貨によるアフリカ合衆国。もちろんこれが成功すれば、世界の権力バランスを変更させることになる。よく知られた事実であるが、もしアフリカが天然資源の流出を止めてしまえば、アメリカとヨーロッパは活動を急停止させられる。彼らはアフリカに依存しており、だからこそアフリカ大陸の出来事をコントロールする能力を維持しようと固く決意しているのである。

アフリカ情勢をコントロールすることは、帝国主義プロジェクトにとって優先課題である。何年も前にリビアで行われた会議で、ネイション・オブ・イスラムの指導者であるルイス・ファラカンは「ヨーロッパとアメリカはアフリカの巨大な天然資源への無制限なアクセスなしに新世紀に進むことができない」と指摘した。そして「カダフィがその邪魔となっている」と付け加えた。

もし彼らがコントロールを維持できないのなら、少なくともアフリカ内の分断は維持しなければならない。そうやってアフリカは弱者の立場に置かれ続けることになる。アフリカの統一と本当の独立とは、白人優越主義が――資本主義、帝国主義、新植民地主義というそのすべての表出形態において――全力で反対するものなのである。

サイフ・カダフィ〔訳注・ムアンマル・カダフィの次男〕が言うところの道化師サルコジが、ベンガジにおける反動勢力の寄せ集めをリビア人にとっての唯一の合法的代表者であるという馬鹿げた声明を出し、ヒラリー・クリントンが「リビアの反体制派」と急いで会談を行ったとき、帝国主義の不吉な陰謀が姿を現しはじめた。彼らの使命はもちろん「無実の市民」を救うことではない。彼らはそもそもの始まりから、どちらの側に付くか大変明確に選択しており、彼らがリビアの革命勢力を爆撃しているときに、私たちは彼らがどちら側についているか疑いもなく知っている。

何らかの破壊/諜報活動に従事するオランダの海兵隊員を運ぶオランダのヘリコプターがリビアの領土内で捕獲されたとき〔訳注・2011年2月27日。オランダ軍は2月22日にオランダ人の避難援助の名目で軍艦をリビアに派遣することを発表している〕、彼らの陰謀がさらに明らかになった。最終的にオランダ政府は、軍艦トロンプがシルト沖の海にいることを認め、捕獲されたヘリコプターはそこから離陸したものであることを認めた。もしベンガジの反乱が、メディアが報道するように「地域の他のものと同じような自発的な反乱」であるとすれば、オランダは驚くべきほど万全に準備を整えていたことになる。実際には、何が起こるか事前に知っていなければ、そのような素早さで現場に到着することは不可能だっただろう。今回のベンガジの反乱は、計画された試みであり、外国から支援を受け、リビア革命を打倒するために北アフリカで起こっている出来事を利用するものだったのである。

そして、イギリスの外務大臣ウィリアム・ヘイグは、臆面もなくアルカイダ系反乱勢力とコンタクトを取るためにリビア領内にイギリスの特殊空挺部隊を上陸させている。もちろん、イギリスとアルカイダが同じ側にいることは驚くべきことではない。すでに書いたように、イギリスとアルカイダはリビアを破壊するためにかなりの長い期間共謀してきたのだ。反動勢力は必然的にくっつくことになる。そして、結局アルカイダには、そもそもの始まりから、アフガニスタンにおける対ソビエト戦争のアメリカの道具として帝国主義との協力関係があったのである。父ブッシュはタリバンと緊密な関係を持っており、ロナルド・レーガンは大量のドルをアルカイダ(この言葉は「基地」を意味し、CIAの援助を借りてまとめられた多くの国からやってきたムジャヒディン〔訳注・アフガニスタンでソ連軍と戦うために集まったイスラム聖戦主義ゲリラの総称〕のデータベースであることを指し示す)の前身であるアフガニスタンの聖戦主義者に注ぎ込んだのである。

多くの戦線

リビアにはムスリムの革命的思想家であるアリ・シャリアティが言う「本物と偽者の宗教」との間の闘いとともに、もうひとつ大きな戦線がある。それは、シャリアティのその言葉をもじっていうと黒人系アフリカ人と明るい肌を持つ「アラブ系植民者」との闘いである。「アラブ系植民者」は「分離主義」的立場を称揚し、彼らが持つアフリカの歴史的遺産を認めることを拒否し、アフリカ大陸にいるにもかかわらず汎アフリカ主義プロジェクトにまったくかかわりを持とうとはしない。すでに書いたように、これらの「アラブ人」は、まったくの軽蔑を持って黒人を見下している。彼らは絶対にカダフィの統一アフリカの展望を共有していないし、この目的のための計画を支援するためにリビアの資源がアフリカ大陸中で使われていることに腹を立てているのである。

リビアの反乱勢力が「人道に対する罪」を犯していることはよく記録されている。反乱勢力が支配する地域では「アフリカ人狩り」が行われている。黒人の労働者、学生、難民は拘束され、強姦され、処刑されている。彼らの一部は、砂漠に連れて行かれ刺し殺されている。黒人系リビア人でさえ標的となり、多くの者は武装反乱者に誘拐され秘密の場所に拘束されている。これらの勢力こそ帝国主義諸国が競って支援しているものなのである。いわゆる「国際社会」と西側メディアは、反乱勢力によるこういった「アフリカ人狩り」や黒人系アフリカ人の虐殺についてはまったく沈黙している。

彼らはワシントン、フランス、ロンドンからムアンマル・カダフィを悪魔化する試みを続けている。しかし、真実は、彼は革命家で自由の戦士であり、過去30年間ほとんどすべての解放運動を支援し、アフリカの発展と統一のために日夜たゆみなく働いてきたということである。同時に、彼が率いた革命は、リビアを世界の最貧国からアフリカ最高の生活水準を持つ国へと引き上げた。十字軍によって組み立てられた「大量虚偽兵器」は決して彼を無慈悲な独裁者として描くことに成功しないであろう。人類の敵? 偉大なる革命家でマルコム・Xとしてよく知られているエル・ハジ・マリク・エル・シャバーズの警告を聞いてみよう。

「メディアは、地球上で最も権力を持つ領域である。それは無罪を有罪にし、有罪を無罪にする権力を持っている。大衆の意識をコントロールするがゆえにそれは権力なのである。」

私がこの記事を書いている間にも、カダフィは世界に向けて演説している。彼は挑戦的であり、リビア人に長期の戦いを覚悟させ、十字軍にはリビアとその資源に手をつけさせないことを誓っている。一方、十字軍連合とそのアラブの支援国は疲労の色を見せ始めている。私は、1986年にレーガンが彼の住居を爆撃したときのカダフィの言葉を思い出す。

「彼らは長距離ミサイルや飛行機で私たちを攻撃するかもしれない。それは予想できることだが、彼らは決してここにとどまることはできないだろう。この土地は、彼らの足には熱すぎる。」

ジェラルド・A・ペレイラは長年リビアに住んでいる。彼はリビア革命を防衛するための国際大隊であるグリーンマーチで働き、トリポリを拠点とするWorld Mathaba の幹部メンバーであった。

(訳文を一部修正した。2014/04/10)
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[メモ]「酒井隆史 meets ヘイトスピーチに反対する会 〜何が運動を国民主義化するのか〜」
category: - | author: conflictive.info
「デモと広場の自由」のための共同声明のオリジナルの”呼びかけ人”であったりシャンタル・ムフのポピュリズム論を援用して木下ちがやとともに社会運動の「国民主義化」を推進してきたのは酒井さん自身じゃなくて? 講演に行けば反省の弁(あるいは心境の変化)が聞ける?? ヘイトスピーチに反対する会は、「朝鮮(共和国および在日朝鮮人)への「制裁」政治」に反対する一方で、朝鮮民主主義人民共和国体制転覆論者の友常勉(太田昌国・友常「拉致問題を考える」『情況』2010年12月/2011年1月合併号、を参照)に講演をさせていたりよくわからないところも多い。管理人・嶋田頼一 

・参考
「酒井隆史 meets ヘイトスピーチに反対する会 〜何が運動を国民主義化するのか〜」
http://livingtogether.blog91.fc2.com/blog-entry-132.html
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[転載]【緊急声明】3.11東電前アクションに対する右翼集団「我道会/男組メンバー」の襲撃を許さない 右翼暴力=草の根ファシズムから社会運動を守ろう
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[転載]東電前アクション! (新BLOG)

http://antitepco.ldblog.jp/archives/36923144.html

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2014年03月13日
【緊急声明】
3.11東電前アクションに対する右翼集団「我道会/男組メンバー」の襲撃を許さない
右翼暴力=草の根ファシズムから社会運動を守ろう

(1)

私たち東電前アクション!は先日、「福島原発事故発生から丸3年になる3.11東電前アクション」をよびかけ、被害者賠償を意図的に遅滞・ネグレクトする東電の姿勢、「収束」作業労働者の待遇のさらなる劣悪化、柏崎刈羽原発の再稼働策動などに抗議するものとして、約140人が参加して東電本店に抗議の声をぶつけました。

この私たちの抗議行動に対して、「我道会」あるいは「男組の組長」などを名乗る右翼の一団数人が暴力的な妨害・襲撃に及んできました。
彼らは反対側の歩道から複数の拡声器で罵声を続け、わずか十数mしか離れていない私たちの路上アクションを音声で暴力的に妨害・破壊し、時には乱入を試みてきました。
私たちは、これを許すことができません。

彼らはツイッター上で、3月11日の昼に行われた「3.11天皇出席の震災3周年追悼式典全国一斉黙祷反対集会・デモ」に東電前アクション!が賛同したことに対し「追悼式を妨害する国賊どもにカウンターをしかける」と予告しており、これが妨害・襲撃の意図と思われます。

しかし、上記の集会・デモは、政府による「追悼」強制への異議申し立ての表明ではあっても、個人一人ひとりの追悼の思いはおろか、政府式典に対してさえ「妨害」と言えるものではありません。

これに対し右翼集団は、先に述べたように十数mの距離から複数の拡声器を使い、私たちの東電への抗議行動を音声で妨害し乱入を図って破壊しようとするという行為に及びました。
「追悼」強制反対という一つの言論表明に過ぎない事柄に対して、このような言論封殺の暴力は正当化されるものではありません。

私たちは、草の根の暴力による社会運動破壊という一つの「ファシズム」現象としてこの出来事を受けとめています。

(2)

とりわけ、福島第一原発の立地地域である双葉町の故郷を奪われ避難生活を続ける方へのスピーチや、現在「収束」作業に携わっている方のスピーチ中もメガホンから大音量で口汚い罵声を受け続けたことに対して、私たちは深い憤りと悲しみを覚えます。
しかも司会進行の者が「これから双葉町から避難中の方がスピーチされますから、静かにしてください」と告げたにもかかわらず、です。

結局のところ彼らにとって被災者・被害者への「追悼」など実はどうでもよい口実にすぎず、立地地域の人々や「収束」作業員の実情などにも関心はなく、単に「気に入らない者の表現は暴力的につぶす」ことが真の目的なのだろうと、私たちは受けとめています。

しかし私たちのアクションに参加された方々は、右翼の妨害・破壊行為に振り回されることなく、今回のアクションの意図を理解してくださり、気持ちを込めた抗議を東電に行いました。感謝の気持ちでいっぱいです。

私たちは、今回の3.11アクションに際し、いくつもの議論と自問自答を重ねてきました。

福島浜通りで発生した事故なのに首都圏の私たちが抗議の場でいちばん前にいる「不自然さ」、それがたまたまではなく構造的問題であることについて声明を作り、賠償を遅滞・値切りし、被害者をいっそう苦しめていることへの抗議をアクションの前面にすえ、6項目の申入れ文を東電に渡し、さらに東電本店社屋を「被害者、被ばく労働者のための医療施設及び事故被害資料館」に転用せよという声明を作りました。

■東電前アクション!3.11声明
http://antitepco.ldblog.jp/archives/36873510.html

■東電への3.11申し入れ文
http://antitepco.ldblog.jp/archives/36881216.html

■声明:東電本店を明け渡し、原発事故資料館等に転用することを東電に要求する
http://antitepco.ldblog.jp/archives/36881249.html

上で紹介した声明にあるとおり、私たちは深刻な被害を受けた方を代弁することはできません。
そのことを大前提に、それでも自分たちにできることを模索し自問自答しながら、今後も東電への抗議アクションを続け、同じ思いの方とつながっていきたいと思います。

(3)

なお私たちは、個々の人が「追悼」することに反対しているわけではありません。
政府による「追悼の強制」に反対する、という趣旨で「追悼式典と全国一斉黙祷」に反対する集会・デモに賛同しました。

「追悼」は極めて個人的な領域であり、そこに国家が入り込み、号令をかけるという乱暴なやり方に私たちは同意できません。
そもそも14時46分という時刻は地震発生の時刻であり、津波がそれぞれの地域を襲った時刻ではありません。
一人ひとりの死はそれぞれ別の時刻にあり、「3.11」という日だけでもありません。
政府が手前勝手に「追悼」の時刻を設定して「全国民」に向けて黙祷の号令をかけるのはあまりに粗雑なあり方だと思います。

また、本来3.11に政府が行うことは、国策である原発によって何百万人もの人生と社会を踏みにじり、1000人超と言われる原発事故事故関連死者を生み出したことへの「謝罪」と「償い」のはずです。
政府は今もなお公式には原発事故の死者の存在を認めていませんし、その謝罪と償いをネグレクトしています。

そして政府主催の追悼式典は、そのネグレクト行為を覆い隠し、「悼んで見せることでごまかす」機能を果たしています。
この構造は、政府が国内外の人々に対し戦争責任を謝罪すべき8月15日に、自国の戦没者に限定した追悼式典を主催することで「ごまかす」手口と酷似していると思います。

私たち民衆はこれまでも騙され、ごまかされ、陰では陰湿な暴力を受け続けてきました。
その結果として3.11の原発事故があると思います。
ですから、私たちは新たにやってくる「ごまかし」や「陰湿な暴力」の手口を見抜いていく必要があると考えます。

(4)

私たちは、右翼集団による社会運動破壊を絶対に許さないし、看過してはならないと考えます。
原発立地地域から避難された方や収束作業員のスピーチをも拡声器でかき消し、それを自己正当化する右翼集団は、たとえ「脱原発」や「反レイシズム」などを標榜しようとも、社会運動の仲間ではありえないし、物理的暴力で社会運動を威圧・萎縮させる存在だと思います。

彼らの暴力的振る舞いが入り込む余地を社会運動が与えるわけにはいきません。
そのための広範な声を多くの人々と作り出す必要を痛感していますし、呼びかけるものです。

3月13日
東電前アクション!
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antitepco1@yahoo.co.jp
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